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ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

マフマフ6

 

辺りには先ほどの殺戮で、硝煙と血の臭いが立ち込めていた。カルシャは茫然としていた。現実とは思えない光景だ。生まれてこの方、一度も見たことのない光景。家々だけが、かつての姿をとどめている。

「おい、その女」

帽子と勲章の男が、カルシャの腕を荒っぽく引っ張った。

その拍子に、カルシャの手から、マキオから貰ったスマホが落ちた。

「これはどうした、どこで手に入れた」

ベンジャニがカルシャの方を見たが、兵士に殴られてどこかへ引きづられて行った。

これ以上の殺戮は御免だ。カルシャは勇気が出るように、腹に力を入れた。

「日本の人に貰いました。ここで植林をしていた日本人です」

「そいつはどこへ行った」

「日本へ帰りました。あなたたちが、ここに来る前に」

勲章の男は、スマホを拾って、いじった。地図アプリみたいなのが画面に出ていた。

「お前はスパイか何かか。コレは俺たちの現在位置を示している」

「スパイじゃありません。

その日本人が、私たちに逃げる方向を教えてくれると言ったんです。でも長老が逃げないで戦うと決めたから、

私たちは逃げられませんでした」

勲章の男は、スマホとカルシャを交互にジロジロ見た。美しい少女が、胡散臭い通信機材を持っていた。

「お前は将軍のところへ連れて行く。将軍の前で、その日本人の話をしろ」

 

 

 

 


マフマフの大統領府は、元いたスタッフの死体で埋まっていた。

その血の海の上を統一反乱軍の兵士は動き回り、将軍が大統領の椅子に腰を下ろして、書類をピラピラさせていた。

文盲ではないが、素人の彼には理解しにくい、難しい書類が多い。

「ここへ、日本人が来る、か。レアメタル鉱山で人質を取ったからか」

スマホで報告を受けた部下が、将軍へ進言した。

「フランス人はそう言ってます。傭兵部隊です」

「中国人じゃないのか」

「中国人は逃げたそうです。鉱山を彼らは手に入れなかった」

「中国人は、したたかだ。ハナから俺たちの蜂起の計画を知っていたのか」

「かも知れません。中国人は、アフリカ中にいますから。衛星なんかも打ち上げてるし」

「衛星から地上は丸見えか、ジャングルにでも潜るしかないな。もし、そういう奴らが敵なんだったら。だけど今回は日本人だろう。追い払うのは難しくない」

執務室の扉が開き、男が入ってきた

「第三小隊から連絡が来てます。スパイの女を連行してきたと」

兵士たちは、どよめきたった。

スパイの女の処遇なんか決まっていた。好きなだけレイプして、拷問して、側溝に捨ててお終いだ。

 

 

 

 

日本がレアメタルを求めて現地政府と契約したマフマフの鉱山が、統一反乱軍に占拠された。

国会で左翼は勢い付き、ブーイングを連発し、派手なプラカードを掲げて、与党を詰った。

レアメタル鉱山止めろ、油田を掘りに行くな、原発止めろ。それは1つの意見ではあります。

ですが、その場合の具体的な日本のエネルギー戦略を示してください。

そのプランで、どの程度の人口が養えて、

子供やお年寄りが、暑さ寒さで死なない生活が実現できるか、試算して下さい」

「時代はエコだよ。古い産業にしがみつく老害め」

自然エネルギー関連の投資は行っていますが、どれだけ成功するかは未知数です。

将来、いきなり足りないなんてことになって、人々を寒空の下に晒すわけにはいかない。

逆に日本がアフリカになってしまいます」

「侵略だとか、海外投資をやるなとは言わないよ。下調べが疎かなんじゃないかと言っているんだよ。

貴重な血税を使い、尊い人々の血を流す。そんな無責任な与党は、政権を担うのにふさわしくない」

「左翼2党が政権を取っても、それが可能だとは思えません。何か、お友達の人民解放軍が教えてくれますか。無理でしょう。左翼2党の認識は甘すぎる」

「甘すぎるのはあんたの外交手腕だろう。何の為に外交関係者を高い税金で飼ってるんだ。

以前から、IT革命や宇宙といって、ずいぶん税金を派手にバラまいていが、どうなってるのか。あんたみたいなオッサン連中に、使いこなせるのか。

今の与党は、司令塔として不適格だよ」

「少なくとも左翼2党よりはマシだと申し上げます。識者を呼んで、シュミレーションゲームでもしましょうか」

 

 

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