ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

俺のペニンシュラ13

 

「俺はてっきり、死んだと思っていたんですけど」
ハマは隣の米兵を、上目使いに伺った。伺ったつもりだが、ハマは、体が大きいので、少し上から見下す感じになってしまうのがキツイ。
「日本人で人民解放軍に入ったやつは珍しいからな。何かに使えると思ったんじゃないのか」
米兵は、気さくな人だった。

「何かに使える」
「でも俺は、上から攫って来いと言われたから攫ってきただけだ」

「タダで命を救ってもらったってわけでは、ないんですよね」
「それはもちろん、そうだろう。
俺は知らないけど。レスキュー代金は後払いだ」
後払いって何だ。ハマは、焦点がぼけて、目の前の米兵を、穴が開くほど見つめてしまった。
「大丈夫か?戦場は初めてなのか?坊ちゃん」

「俺は日本人なのに、中国の軍に入ってた」
「俺はレバノン出身だが、アメリカ兵だ」
アメリカ兵は、帽子を取った。アラブ系の顔立ちが際立った。ハマは言った。

「おまけに反戦運動をしていたのに、気が付いたら軍隊に入っていたんです」

褐色のアメリカ兵は、肩をすくめた。戦争ジョークってやつか。

「それって変じゃないですか?」

「そんなのお前が考えろよ」
レバノン人の米兵は手にしていた軍帽をいじくり回した。

「でも、俺に言わせれば、そんなのを考える奴は、ヒマ人だな」

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