すみま千円(漱石のほう)

レポート置き場かな?宜しくお願いします。

高学歴ドヤ2


「東電の何が悪いんですか」

ハンドルネーム1は、東電の営業を名乗った。本当に東電社員か、誹謗中傷目当ての愉快犯か。

電力会社は1社独占だから、客には御用聞きくらいの用事しかない、営業なんて、暇つぶし?

よくしらないことに、クビを突っ込み、炎上するウブなチャネラーたち。

原発の導入経緯とか、上が勝手にやったことです。

全部が全部、東電のせいじゃないです。

東電のせいだとして、下っ端には無関係なんです」

熱い書き込みだろうか。炎上を招きそうな気迫にあふれていただろうか。

だが、最後に「ご意見をお聞かせください」とか書かなくてもよくないか。

2チャンネラーはミエミエの煽りには反応しないが、素の臭いには弱い。

 

 

パキスタンでカーン博士の弟子を名乗る人は、1000人くらいいた。
カーン博士は、独力でパキスタンの核を開発した偉人とされている、建国の英雄の1人。
が、ハンパな技術を、どっかから盗んできたんだろう。

いくらなんでも植民地からアインシュタンまで、一気に飛ばせるわけがない。

核技術は、イギリスがインドとパキスタンに二股かけてやったらしい、噂だ。

影響力を残す為か。

日本の原発だって、自分で作ってない。アメリカは最初の試作品をトリニティで実験してすぐに、ヒロシマナガサキへ落とした。

だが、落ちた時には飛び散ってるから、分析して作り直すわけにはいかない。

ラジコン飛行機とは違う。

もしかしたら、日本人の原発技術者は、何も分かっていのかも、まさか。工科大学に留学したり、技術移転したんだろ。

鑑識眼があるなら、どうして隠れ赤字のヒドイ、ウェスチング・ハウスなどを踏むのか。

  

パキスタン原発職技術者は、就活対策でカーン博士の弟子を名乗った。

ここにはそういうのが、5人いた。

工科大学の同窓生だ。

「就職率上がった?」
「全く。お前らみたいのが多いから、カーン博士ブランド、落ちてるよ」

パキスタンは植民地解放から核武装までが、早すぎて、

カーン博士自体何もしてないんじゃない、などの噂があり、学生たちの、弟子詐称への抵抗は薄い。

だいたい、パキスタン工科大学を出たくらいで、原子炉が作れるかよ。

「ソリャ、国に金がないから」

「だったら原子炉でなく、核でいいよ。ソッチの方がラクだろ」

「そんなに作っても、意味ないし。核兵器なんか食えないし、無用の長物だよ」

「インドの核に対抗するとかいえば、無限に増えるよ」

「だが、南アジアは米ソみたいな金満じゃないんだよ。世界三大スラムに入るよ」

「無駄に核とか作ってるからじゃない、北朝鮮と似た構造」

「向こうが作るからしょうがない」

「何に使えば豊かになるんだよ、パキスタンの金は。貧民に配ったって、そのまま蒸発してお終いだろ」

シカゴ大学でも言って経済学勉強してくればいい。アルティマ・センに弟子入りすれば」

「それでまた、アルディマ・センの弟子詐称が流行る」

頭の良い人が5人いたくらいで、貧しい祖国をどうしていいかは分からない。

 

 

ここにT芝社員がどれだけいるかは知らない。
が、高学歴ドヤ住人は小銭がたまり、テントからシェア・ハウスにクラスアップした。

「サークル名、野鳥観察会から、テラスハウスに変更したから」

「ダサいから、やめなよ。乱交でもするの」

テラスハウスって、20歳くらいの未婚の男女が、くっついたり離れたりする番組、そのくらいの知識しかない。

「野鳥っていえば私たちの頭じゃん」

「ソレは鳥の巣じゃない?」

さすがに髪の毛が伸び過ぎていた。洗うのも大変だ。

美容院行きたい。1000円カットでいい。

「明日、行こう」

「明日?」

「こんなの思いついた時にやっておかないと、延び延びになるんだよ」

「旦那の転職みたいに?」

「髪の毛みたいにだよ」

 

 

誰かが「野鳥観察会」という名刺を作った。紙で。

昔から、勉強のできる、いいところの子供。

唐突にこんな暮らしに落ちても、精神のメンテナンスが大変だった。

「野鳥って誰?俺?」

「サークル名って何だよ」

こんな目に合わせて、不甲斐ない、不甲斐ない。

「この辺は、カラスしかいないだろ」
「雀とか鳩もいるよ」
「俺パチンコとか作ろうか?焼いて食えば」
「カラスを捕まえるのは無理だよ。頭いいし」

「少し金が溜まってきたから、スーパー出玉の廃棄弁当くらいなら買えるだろ」

出玉って、あのヤバそうなスーパー?惣菜とかが、10円とかで売ってる?

さすがに10円では売ってないだろ。

「コンビニの廃棄弁当の方が、害がなさそうだよ」

子供がやさぐれてきた。というか、原始人みたいになってきた。ソレ、俺らが原始人だからだろ。

「BB弾でカラスを狙おう。俺はそう言いうの、嫌いじゃない」

「BB弾効かないから、エアガンとか使わないと」

「そういうのが全て、カラスには効かないんだよ。すばしこいから」

彼らにとって妻子は、ほとんどバーチャル・リアリティだ。

まず切られると思っていたし、どういう計算で俺についてきたのかが不明だ。

急に年収1000万の生活が無くなるとは思っていなかったから、住宅ローンで破たんし、家具類は貸し倉庫に入れたまま。

きっと、これは気の毒なホームレスが見る夢で、目が覚めたら孤独なドヤで、1人で朝露に濡れているかもしれない。