ちきうアネクドート

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高学歴ドヤ(テラスハウス)7

 

ドヤ住人のサイドビジネスは沢山あった。

幼少期から、何をやっても人並み以上。元エリートの自信は、落ちぶれたくらいで毀損されない。

「ジャパン・ブランドは、目減りしてます。

高速増殖炉とか、今のうちに売ってしまいましょう。

日本の原発が、世界的に見て、事故率がスゴク高いってわけじゃない。

新幹線だって、そうです。タイミングが悪いんです。中国がまだ追いつけてない、30年前に売ってたら、売れてます」

ドヤ住人は、暇に飽かせて、官庁へ書き送ったりしていた。

だが、外野で、細かい事情が分からないんだろう。正論だけど実現性がハテナなことばかり吹いていた。

「30年前は買う側に、購買力がないから無理でしょ」

「1997年のアジア金融危機の前とか、東南アジア辺り、バブッてて良いチャンスでしたよ」

「知るかよ」

霞が関住人は、籠城してるとはいえ、もしSNS上で討論を仕掛けられたら、そこはコロッセウムだ。

霞が関には、SNSを公開する自信満々の人種と、ボロを出さない為に、窓を開かない人種がいた。

「日本は、破たんするかどうか、不明だよ。そんなの市場の気分次第だろ」

「政府の努力とか、投げてますか」

「俺たちは、投票権を100万票とか持ってるわけじゃない。

この手の政策は、民意に振り回されて、文脈がおかしくなり、保身に走ったり、変な方向へ行く」

「反原発の声は根強いし、どう流れるか分からないだろ。民主党みたいにポシャるくらいなら、宝の持ち腐れじゃないか、高値がついているうちに、わけわからん素人さんに売ってまえよ」

高速増殖炉くらい、中国だって作ってるんじゃないですか。彼らは既に、資金力でも、手当たり次第技術を盗む図々しさでも、1000万年光年先にいるよ」

窓を開いている霞が関人は、自信満々なのか、ヒアリングなのか、逆に釣って危険分子をあぶりだしているのかは、不明だった。

あぶり出し大いに結構だよ。向こうがこの高学歴ドヤに気が付いてくれたら嬉しいジャン。

ってお前、ストーカーかよ。

「何も知らない猿にやったって、壊されてクレームつけられたら、風評被害広がるだけじゃないですか」

「アラブは、何でパキから核を貰うの。パキスタンは最貧国でブランド力、ゼロですよ。イスラムの原子炉って、ムハンマドの霊とかついてるの」

パキスタンの核はヘボイからオッケーなんじゃない、大国から見たら、危なくない。それとも、イスラム教圏の再編でもするの。インド、どうするの」

ムハンマドの霊がつくと、発展は止まるよ。ムハンマドは預言者の中では、一番先進的なハズだが」

「それが持ったのが15世紀くらいまでじゃん。あはプロテスタントとか、フランス革命とか、もっといますよ」

「イスラミック・ステイトに北朝鮮の兵器とか売れてますよ」

北朝鮮のは、ブラック・マーケットでしょ。アラブの核拡散は、表通りでしょ」

 

 


福爺は、仮設住宅暮らしで、体が訛ると、故郷を歩き回った。

道端に、タンポポが咲いていた。

だが、変な植物も増えた。

デカすぎるタンポポとか、青いタンポポとか。

放射能は、あるんだろう。だけど、だから?

放射能が1000ベクレルとか、10ベクレルとかいろんな噂が飛んだ。

福爺にとって、ソレは霊が存在するかどうかの論争くらい、どうでもよかった。

そんなことでいちいち怯えるほど、福島住人は、恵まれてなかった。

長いこと続いた、避難所暮らし。

隣の人のイビキが聞こえる寝辛い夜。

福爺は、場所取りに負けて入口の側のスペースにいた為、夜中に外の仮設トイレに行く人の足音がうるさくて最悪だった。

それと比べたら、仮設は静かで、天国だ。戦中の瓦礫から、ガタガタの安アパートに移ったごとく。

「鼻血は出ますか」

「俺は死んでないですよ。ハア50年後?知らないですよ」

50年後なんて俺は死んでるよ、だが福爺は、いつも20歳くらいの設定でスマホに書きこんでた。

ネット上で70歳とかいっても、相手にされない。

だけど20歳の福島県民って、どういうイメージなん。希望が溢れてるの。絶望が満ちてるの。

「商材にされて、イラつかない?」

「世界を回って、路上で寝てる人の全員に聞いて来いよ」

 

 

霞が関に、何か面白いデモとか掛けませんか」

「日本に面白いデモなんて無いよ」

「ユーチューブで受ければ拡散するよ。自己顕示意欲は、このコンクリート・ジャングルで生きていく基本です」

「拡散しないよ。俺ら、長く現場にいないから、大分劣化してるし」

「底辺の人々の暮らしが分かって、経験値上がった」

「だが、何かが下がってるよ」
「何が?」

大企業は元々、高スペック人材の集まりだから、多少の底辺労働くらいで、根を上げない。

俺たちは左翼じゃない。

余暇で専門知識を集めて、中小企業に売って回るくらい片手間で出来た。

霞が関の気の毒な人種に言ってやりたい。そういうライフスタイルっていいだろ。

ただやっぱり、その位吹かないと、生活のショボさは誤魔化せなかった。

「ママン布団入れて」

俺たちは最後は女子供に逃げる奴。

「ママン止めろ。殺すぞ」

「ママン禁止ですか」
「俺がママンになってあげるから、元気だしなよ」

ヒロノリが布団に入れてくれた。

ただでさえこの転落、妻は厳しい。

ホームレス状態に弱いのはどっちなのか。成人男性は、一番弱そうな人種だ。そうだろうか。

路上にモノ並べて売るのも、靴磨きも、女子供の方が客取れそうだし。

ホームレスに成人男性が多いのは結果で、志願者が多いわけじゃない。

「ヒロは俺のママンになってる暇があったら学校へ」

どうしても行って欲しい、とは言い切れないのが微妙だった。

この辺の学校、大したこと無い。荒れてるし。

未だに子供は全員、就職できる夢物語りが流れている異空間で、俺たちが、税金で処理された鼻持ちならないエリート国賊企業T芝出身で、かつホームレスをしていたことがあるとバレたら、イジメにあいかねない。

図書館で本借りてきて自主勉すればいいよ。

「いやいやいやいや」

「だから何が?」
「俺たちは、暇だから子供に勉強を教えている、悪いか?」

「もう少し金がたまったら、もっとデカいシェアハウスに映ろう。住処が狭すぎるのは精神衛生上良くない」

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