読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

高学歴ドヤ(テラスハウス)9


「ハア?ここのドヤにいたテントの人?引っ越したよ。部屋借りれたって」
「死んでないじゃん」
女子高生たちの間に、安堵が広がった。

電車を乗り継いでドヤに出張した甲斐があった。

「野鳥観察会、どうすんの」

「ウチらが継げば?」
「何で?」
「唐揚げ研究会とかのほうが良くない?」
「何ソレ?株の空上げするの」
「株価は女子高生の噂が作るとかいう」

ステルス・マーケティングとかいうの、バズ・マーケティングとかいうの」

「株屋は女を利用しようという魂胆はあっても、決して心を許すまいと思ってるよ。

セックスアピールの無くなったオスは、警戒心の塊だ」

「なら食い散らかして逃げればいいじゃん」

「コレは自分たちが野鳥になるっていう会じゃないんだよ。野鳥を観察する会なんだよ」

 

 

5人は身の危険を感じて、どこかに逃げようと思っても逃げ方は分からなかった。

彼らの住む貧しい地域なんて、どこも危険と言えば危険だ。まず警察はいない、いたとして、用件は賄賂を取りに来ただけだ。

俺たちはアルカイダじゃないんだ。逃亡ルートなんて知るか。

悪い虫の知らせは当たる。

カーン博士の同窓会メンバーは、5人まとめて捕まった。

今度は全員縛られていた

「クソ、お前のせいなんだけど」という恨みがましい4人の目がダールに注がれている。

「知るかよ。お前ら、どうせ無職だろ、一蓮托生だ。

原発技術を知ったポスドク崩れが、世界から放置しておいて貰えると思うか」

「現に、今まで放置されてただろ」

パキスタン政府は、汚職で忙しいんだよ」

マフィアがその辺を行ったり、来たりしていた。

何の仕事をしているのか、闇物品の取引か。

以前、ダールが捕まったところとは違う、大きな工場みたいな建物だ。

パキスタンは、こういう失敗って多いし、事業をコカして逃げたところを占拠したのかもしれない。

 

 

遠くで銃声が響いた。

1発ではない、連続して響いた。

ダールは天に祈った。俺も、そろそろ死に時か。この若い身空で、やってられない。

アラーは何を考えて、俺たちにこんな人生を送らせたのか。

親族の期待を背負って、就職できない学問へムダ金をつぎ込み、自分の能力を生かせず、頭がいいだけ、貧しい人を見れば心が痛み、社会の矛盾が悲しい。

ダールは、アラーなんて信じてないけど。

だって原爆は、辺り一帯の1億人くらい瞬時に吹き飛ばせて、アラーはそれに対抗できないんだろう。

それとも、核だってアラーの御心のうちにあるのか。

それはおかしい。だったらアラーは悪魔だ。

アラーの御心のうちにはないから、人の手で研究して核を作ってる。

銃声と軍靴の音が近づいてきて、

その辺をうろついていたマフィアが次々に撃たれた。

パキスタンの住人は、人が死ぬのを見るのは慣れている。

ダールは簡単な英語が聞き取れた。米兵か、中国人じゃない。目の前に、白人とか黒人がいた。

「オイオイ、ビンラディンじゃねーよ」

「お前、聞いてないのかよ。コレはウランか何かの闇取引の摘発だよ。ビンラディンは関係ないんだよ」

ダールは呆気に取られた。ウランの闇取引、本当だったのか。少なくとも、アメリカ軍がマークするレベルには。

祈りは聞き届けられた。そう、俺の神はアメリカ人なのか。

アメリカでは、金が無くても軍隊へ入り、それで奨学金を貰える。

どうせこんな目にあうなら、俺もそうしたら、よかったんじゃないか。

だけど、ムスリムへの差別とかあるぜ。

俺はムスリムじゃないし。

こと今回の件はそれを確信した。

バーカ、見た目がムスリムっぽかったら、ソイツはムスリムなんだよ、アメリカ人にとっては。

それに軍人は、死ぬ確率が高い。だから進学したんだろ、俺たちは。

そうかよ、スラムで死ぬ確率も決して低くない。軍人上がりのマフィアが乱闘したりするし。

 

広告を非表示にする