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ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

税ペック6

 

「お宅、ハッピー納税の社長さんですよね」

いかにも札束が詰まってそうなデカいトランクを転がして通ったわけではない。普通の旅行者と同じだ。が、ハッピーは職員に呼び止められた。

「グアム帰りのキムタクです」
「ハイハイ、どう見ても違うから」

ハッピーは目をすがめて空港職員を見た。

「何で俺が足止め食ってるの?何の容疑で?」
「お宅の会社、調べてる途中だから、海外に逃げないでってことらしいです」
「ファアー、そんな権限あるんですか?どこに?何法の何条に?」

職員はこの手の客には慣れていた。

「帰ってくる保証あるんですか。ストーカーしていいですか」

「帰るもクソも、俺は日本国籍しか持ってないし」

ハッピーは職員の前に、パスポートをひらひらさせた。職員は呆れた。当たり前だろう、二重国籍の人なんてそうはいない。

「金があれば滞在できるし、あなたはいかにも、闇屋とか知ってそうだから。

現に何の資格もないのに、東南アジアの路上とかで寝てるバックパッカーとかいるし」

「俺だったらスラムで寝るより、刑務所で寝ますよ。だけど捕まることしてないですから、俺」

 

 

 

 

 

タックス・ヘイブンの金集めはクソかも知れないが、大企業の経営者は、国の税の使い方に文句があるから、それ自体はどうしようもない。

中には金を海外に逃がす奴がいても、不思議は無い。

血を吐いて働いている経営者から、既得権益層なんかに俺の血で出来た金を使われたくないと思うこと自体は自然だ。

自営業者から、徴税人へのプチ抗議。税金を、ダンプカー一杯の10円玉で払うとか、昔からそういうのはあった。

トランプは4回くらい破たんして今の地位にあるし、汚い金の流れのスキームを作るのが上手そうだ。

日本でそんなの、ホリエモンと五菱会くらいしかいない。キングと小僧って感じ。

ソフトバンクのオッサンだって、キングのパシリになってやっと頭を撫でてもらったレベル。

もしかすると、小僧のひねり出した手法の方が、高級なのかもしれない。

が、日本のグレーゾーン起業家と、アメリカの大統領では、持っている弾の数が違う。

ハッピー納税は、何らかの倫理を貫くマスク・オブ・ゾロとかそういうのでは決してない。

税法の穴を突いて節税を図って客を集め、その顧客を海外で資産運用に誘導して小銭を稼いだり、その程度のセコイ会社だ。


浜は、ハッピーが香港で逮捕されたと風の噂で聞いた。

で、以前、忠告に来たOBにどこか良いところは無いか聞いていた。

「逮捕された会社で働いていたことって、プラスなんすか、マイナスなんすか」

「別に浜さんが悪いわけじゃないでしょ。勤めた会社がたまたまブラックだった。そんなの、日常茶飯事だ」

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