ちきうアネクドート

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華人警官9

 

「不法移民の一括管理ですか、それは面倒臭いと思うよ。

まず空港のセキュリティとか、日本のITシステムの多くを、アメリカがやってる。

日本はそういう、最先端で大規模なものは、やってない。

そういうところから利害が絡まってる。

マイナンバーとか、日本も自前でやってみたはいいものの、コードがクソだとか、素人プログラマにまでバカにされる始末だよ。

日本政府のIT関連の失政は狙ってるのか、外人に金を貰ってやってるのかわからないレベルだ」

「トロンみたいな真偽の分からない伝説を流したから、混乱したんじゃないですか。

80年代に通産省かどこかがやってたトロンは、アメリカが潰した。本来ならIT革命は日本で起きてた、なんてさ。

当時のエンジニアがどれだけ優秀だったとして、小手先の研究で、ソ連との全面戦争に備えて、サイバー・ネットワークを構築していたアメリカに勝てるとは思えないよ」

「日米同盟の一環にそういうの入れたらどうですか。

日本人は、別にアメリカからIT利権をもぎ取ろうとか、思ってないでしょう。グーグルを追い出した中国とは違います。

役所のシステムは、見ての通りのクソプログラムの巣窟です。だから、もぎとろうという野心自体、無い。

アメリカだって嫌な気はしないんじゃないですか」

「それってムスリムを敵に回して、テロリストを刺激しないですか」

「セキュリティを強化したことが、ムスリムを敵に回すことになるなら、世界は既に滅びてるよ」

「ものすごく性悪説的に考えて、アメリカが日本で、中国のマフィアが無双することを喜んでいるとしたら、どうですか。

アメリカが、かつての三国人みたいに、チャイニーズ・マフィアを何かに利用している、とか」

「マフィアは誰にでも噛みつくし、野放しにしておくと、そのうち真珠湾攻撃にしに行っても知りませんよ、とか言っておけばいい。

チャイニーズ・マフィアはアメリカを荒らしてます。そんなヌルイ相手じゃない。イスラム過激派の次の、怖い連中、第二候補くらいにはなってるはずだよ」

 

 

 

「一之瀬クン、俺、中国喫茶のお姉ちゃんに惚れちゃったんだけど、どうしよう」

坂下の探りの内容が高度になってきて、一之瀬は困った。

彼には、相手の切りだしたことが、探りか天然かの区別がつかない。妻と同じだ。

相手の方が、複雑な脳内回路をしているから、対処の仕様が無かった。

「同じ中国人でひと括りにしないでください。中国は日本以上の、とんでもない格差社会です。

上と下にまず接点がないし、私の妻が娼婦のことなんか分かるはずもないし、止めて下さい」

「でも、中国語分かるだろう」

「好きなら自分で勉強して下さい。通訳雇って下さいよ。

うちの奥さんが先輩のお姉さんにビッチとかいって、大ゲンカになるかもしれないですよ」

「例えば、俺がお姉さんを誘い出して、喫茶店とかで長話をするんだよ。

それで一之瀬クンの奥さんが、後ろの席とかで、会話聞いてくれれば、それが詐欺かどうかくらい分かるじゃん」

「分からないと思います」

「何でだよ」

「僕だって騙されてるかどうか、根本的に分かってないからです」

「だけどお前の奥さんは分かってるんだろ。女心が分かって、中国語が分かる、そういう奴を探してるんだよ」

 

 

 

リュウが寮で1人でコンビニ弁当を食べていると、H県警の不祥事がテレビに出ていた。

拳銃押収がノルマだってのは、本当だったらしい。

先進国の警察にも、怖いことはあるんだ。そんなの、ハリウッド映画とか見てれば、分かるけど。

H県は、拳銃が多く出回ってるのか、ソ連崩壊後のロシア辺りが武器のバザールだから、流れてくるのかもしれない。

リュウさん、告発したの、スゴイね。中国人は度胸が違う」

「何もしてないですよ、怖いですから」

「俺たちだって、何がどうなってるのか、サッパリ分からないよ」

「警察に入って魔窟だったら、どうする」

「そのときは、そのときだろ。世の中は、そんなにクリーンでもないだろ。頭の悪そうな教官だっているし、

体育会系組織に、不祥事のスマートな処理はできないんだよ」

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