ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

インダストリアル・ドリーム7


秋葉原のオタクはぬるま湯にいた。彼らは生身の女なんか欲していない。

ロリコン漫画を読み、アニメキャラクターの抱き枕と寝て、ヌクヌクしている。

俺の経験した地獄はそうじゃなかった。

秋葉原に集まる豚は、堕落した憎悪の対象だ。

欧米文化に被れる人々を、イスラミック・ステイトの兵士が処刑するように。

などという、タレント学者のタレ流した俗説は、全部嘘だという。

そういう凶悪事件に便乗して、その手のヨタを流す手合いは、全員猿なんで、

という本を、加藤は獄中から弁護士を通じて出した。

10人近くの無辜の通行人を殺して、取り巻きを泣かせた後、まだ処刑されていないナゾの犯罪者だった。

それから俺は正社員や派遣を転々とし、嫌になったらやめていたんでストレス・フリーだった。

派遣先のトラブルごときでイチイチ切れませんよ、俺は、などと書き添え、擦り切れた派遣労働者連中の教祖化も拒んでいた。

 

 


マオと彼女の、スマッホでのやりとりは続いた。

コレはマオの仲間の誰も予測しなかった。

それで休日に彼女のウェイトレスをしている喫茶店に会いにいくことになったとき、仲間は図々しかった。

「何でついてくるんだよ。ストーカーか」

「何だよ、友情の否定かよ。来週からお前のこと、ハブにしようか」

「調子に乗って周りのウェイトレスをナンパしても、お前みたいな工員野郎は相手にされないんだよ」

「そういうお前が相手にされてるんだから、俺はセーフだよ」

 

 


「マツモトさん」

マツモトは、会社帰りに、声を掛けられた。見覚えのある顔だ。

「今度止めた連中が、訴訟やるから、止めた方がいいですよ。マツモトさんは経営陣の生贄です」

元従業員、リストラの件で、1時間くらい話し合った人だ。普通の人という印象だった。

マツモトは、首きりの任務を、3か月ほど続けたが、黙って辞める人、キレて辞める人、3時間くらい交渉をしてくる人、を総合して平均より少し長いくらいの話し合い時間だ。

「だけど、俺って辞められるのか」

「リストラのされ方、教えましょうか?」

「俺も知りたい。リストラのされ方を教えてくれないか」

「知るわけないじゃないですか。俺はただの従業員だから、分かりません。もう雇わないと言われたら、辞めるだけです。

だけどマツモトさんも、経営にそんなに詳しく無さそうですね」

本当にサッパリ分からない。訴訟の矢面に立たされるっていうのはどういうことなのか。

物陰に引きずり込まれてボコボコにされるってことでは、無いと思う。だが、どういうことなのか、分からない。

夜逃げ、でもするか。一家で日本へ帰る。

一応、国籍くらいは残ってるんじゃないのか。

広告を非表示にする