ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

indian anonymous10

 

世界ではロシアのハッカーがアメリカの大統領選を不正操作したというニュースが流れていた。

ソレって結局、ハッカーはすべからく誰かに飼われてるってことだろ。世界に真のフリーダムなんか存在しない。

そこへ行くと、バガボンド気取りの、インド2のアノニマスは調子にのってるよ。

サニーが自嘲した。

だけど、俺たち、いくらなんでも、そこまではやらないだろ。

大統領選で、票の不正操作とか。

インド2のアノニマスの本願は、インド2の不正を正すことだ。

オイオイ、お前はインド2で、何が不正か、何が不正でないのか、分かってるのか。

文盲は頭が悪いから、インド2ではいつも、頭の悪い政治家が当選した。札びらをバラまくのが、政治家への一本道だ。

それ自体、どうしようもない。

「スノーデンはロシアに亡命してるし、何か胡散臭いんじゃないですか。

だけどインターネット技術はアメリカから生れたのに、何でスラブ出身のプログラマが多いんですか」

ソ連もインターネットの研究してたのか、アメリカから技術を盗んでたのか」

「冷戦期の各国の戦闘機とか、瓜2つだよ。共通の技術を使わないで、あそこまで似通わない。誰か計算しても同じになる、数学の公式じゃないんだよ。可笑しい」

「情報は漏れるんだよ。世界はスパイ天国だ」

アノニマスの仲間の中には、これだけ情報操作で儲かるなら、表に出てボロ儲けしようと言う、うつけ者も出てきた。

そういうアノニマス1は、某MBA野郎と話し込んだ。MBAは経営学修士で、世界でオオザッパに通用している資格だった。

「インド2の土地ころがしに即席でつくた会社?何でMBAホルダーの俺が、そんなローテクなものに関与すると思う」

「お前は、経営に参画する会社の職種を、いちいち選んでるの。ってことは、ITや科学、工学専門なのか。ミスターMBAホルダーにとって、鉄鋼や飲食店経営なんてのはアウトか」

欧米でMBAを取ったりしているのは、金の余った高カーストの人が多い。

2人はサニーが取り持った仲で、MBA野郎は、汚職政治家を良く思わない例のレイモンドの甥だった。

サニーは2人の悪だくみをシカトしてチャイを飲んでいた。

俺は関係ないから。ないから。

「要するにこのバブルは儲かるってこと?」

「そうだよ、それ以外の要件が俺とお前の間にあるか」

サニーが没落貴族のレイモンドの娘と結婚したのは、レイモンドが汚職を嫌っている良心的な人で、インド2の片隅で、心安く、汚くない人生が送れそうだと思ったから。

だが、汚職はどこからだって発生する。サニーは不穏な心持だった。

政治家が札束を粗雑に扱うことから、高度な技術を持ったエンジニアが、よからぬたくらみをすることまで。

例えば目の前の2人が、黒い煙を発生させている。

 


「ジャララバードのスラムで、暴動が起こってる。例の衛生住宅の入居権でモメたんだ。

アンタはスラム住人のことをよく知ってる。俺たちは彼らに嫌われてるし、手におえない。

シーハが説得に出てくれないか」

シーハに声を掛けてきたのは、顔なじみだが、あまり目つきの良くないインド人スタッフの1人だ。

目つきが良くないのは彼女の直観で、他の人が彼をどう思ってるかは分からない。インド人はあまり素直に人に印象を言わない。

そういうことが安心してできる社会ではない。

「あまり気が向きません」

シーハが答えると、彼は元々、目つきの良くない目を、さらに不穏な感じにした。

「どうしてだ。ジャララバードのスラム住人は、お前の仲間だろう」

目つきは不穏だが、出てきた言葉は軽かった。

「スラムでは、乏しい食料を争って殺しあったり、そういうのが普通です。

彼らが、運よくここに拾われた私を、よく思うはずがありません。

私のことが、邪魔になりましたか」

私が邪魔になりましたか、か。

目の前の少女は、このまま盾にされるより、別の地区のスラムにでも、逃げた方が生存に有利だと思ったのか。

スラム住人に、嗅覚だけは無駄に発達してるやつは多い。


有能なシーハは貴重だ。だが、この件には、トランク10個分では済まない金が掛かっていた。

大事なのは、ビジネスだ。

貧しい第三世界に、潜在的な素質を持つ少年少女なんて、腐るほどいた。

また見つければいいじゃないか。

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