ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

パチンコ、岸ンジャー3

 

ネットゲリラ1は、普段はあまり行かない高級リゾート地区の、大きなカウチを思い出した。干物の臭いがかろうじて、するかしないか、みたいな微妙な立地だった。

だから立地としては失敗で、人影はまばらだった。もう少し安いリゾートにするべきだった。

例えば、干物の臭いがするのが風流だ、と捉えるくらいの客層をターゲットにして。

「岸ンジャーですか」

ネットゲリラ1は、名刺を復唱して、相手の名前の読み方を、確かめた。目の前の白人は、日本語がペラペラだった。

コレは本物のキシンジャーじゃねえ、よかった。なわけないもん、ネットゲリラ1は、安堵を覚えた。

岸は「キシ」とも読むし、「ガン」とも読む、海岸線とか。だから、この人の名前は、ガンジャーかもしれないよ。

相手の表情が変わらなかった。ネットゲリラ1は、リアクションに困って適当な言葉を紡いだ。

「ゴレンジャー見てますか?」

「今は、仮面ライダーとかじゃないですか。僕の世代だと、ダイナマンとかですよ。お兄さん、お子さんでもいるんですか」

エッ、世事に通じた、普通のオッサンか!?

現地名の新しいキラキラネームが、岸ンジャー、ってこの人、

タチの悪い酔っ払いの、「サンキューは日本語で、チンコっていうんだよ」みたいなヨタに騙されたんじゃないの。

オッサンの俺を、お兄さんって呼ぶところが、まるでF俗店スタッフ、オット、地金を出してはいけない。

だいたい、それは俺の職業じゃない、商売仲間の1人の昔のアルバイトだ。

ネットゲリラ1は、腹に力を込めた。

「子供は東京に行って帰ってこないですよ、俺がこんなんですから」

アメリカで親中寄りの外交を繰り広げたと噂される、キッシンジャーの名前は、日本で不吉だ。


川端康成って知ってますか」

「ガス管自殺の方ですか。ロリコンの方ですか」


要人にギャグのセンスは要求されないが、凄みが効くことはあった。やりすぎたらIZ湾に浮かぶから、このオッサンは、何か自信あるのか。

 

 

 

 

ネトサポ1は、その日、壺側近のカバンを持っていた。こんなチャンスが巡ってくるとは、ついにうだつの上がらない人生、運が巡ってきたのか。

運の巡り会わせもクソも、ただの欠員でないの。俺は、どこまで行っても、ただのネトサポだよ。

移動の途中で、壺側近は消えて、ネトサポ1は、違うオッサンに付け替えられた。

渡された名刺に、マルマルハンハンのCEOと書いてあった。

ってことは、この人、俺たちが散々叩いてる、パチンコ・チェーンの最大手の役員じゃないのか。

「キミも俺みたいなのを、蛇蝎のごとく嫌っている部類かい」

「俺、そういうの、分かりません。ただのバイトですから」

「仕事は、楽しいかい」

「他にできることないですから。社長はどうですか」

ネトサポ1は驚愕した。オイオイ、俺って以外と度胸あるじゃん。

マルマルハンハンのCEOは、意外といい顔で笑った。

 

ネットゲリラは総勢、10人くらいいた。

農園や環境企業を操業しながら、一日中2ch漁りをして、ギター弾いたり壺作ったりするのは、体がいくつあっても足りない。

その10人くらいのうちの1人は、八方美人の身分を隠した壺側近にとっては友達だが、目の前のマルマルハンハン会長にとっては違った。

公用地不正取得へ、アッキードなどと腹立たしい名前を付けたのも、ここが一端らしい。

「ソレは吹きだろ」

「自分を大きく見せる為のハッタリは、この業界に不可欠だろ」

「俺は逆に、自分を小さく見せる為に、身分偽ってますけど、何か」

「陶芸爺ってのは、日本特有なのか、世界中にいるのか。お前も出世したければ、展覧会へ行って、ネットゲリラ3に土下座してくれば」

「お前は、自分のことを、自分で分かってるってことだな」

「ハア、俺がいつ、勲章を貰う為に、各方面に、米つきバッタをやって回ったよ」

「そんなの、自分の胸に手を当てて考えろよ。俺は、お前より賢くないから、回答は差し控えるよ。他人の人生に差し出がましい口は出さない」

「口は出さないが、手は出すんだろ。で、頭下げるの。お前のところは、公明党から壺まで、何でもありじゃん」

「向こうが土下座して来たら考えるよ」

ネットゲリラ3つまり、陶芸社長は、マルマルハンハン名誉会長に頭は下げないだろう、もしくは下げておいて、頭突きをかます。

壺側近はそういう山猿の争いを見るのが趣味って言えば趣味だし、どうでもよかった。

「要人は何で壺が好きなんですか」

「だけど、中国で壺って言ったら痰壺だろ」

「中国に壺が置いてあったら、絶対手突っ込まない方がいいよ」

「そんなことないよ。花が入ってる高い壺はあるよ」

「中華の華って、花と同意味なのが嫌じゃないですか。花なら花らしく、可憐にしてろと思いませんか」

「華てのはパーティーの中心にいる女だよ。花ってのはの野原に咲いていたり、壁の花のことだ」

「そんなの、初めて聞いたよ。ふんなら、派手な花を売ってる店が華屋で、地味な花を打ってるのが花屋か?オランダのチューリップはどっちだよ」

「中花人民共和国に変えろって言うか。無害な感じがして、彼らだって外交しやすくなるよ」

「その気がないから華って文字を使ってるんだよ」