ちきうアネクドート

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パチンコ、岸ンジャー6


マルマルハンハンは、ロリコン店で拾った壺側近の免許証を、本店に飾った。

まず客からは見えない高い位置だし、免許証は小さいから、顔も文字も認識できなかった。

一種、彼のうだつの上がらない時期の思い出だ。売れない時代にもらった芸能人の色紙みたいなジンクス。

あれからずっと同じ仕事をしてきて、もう人生の終わりも近い。

「何の名刺ですか」

マルマルハンハンが、たまに視察がてらに現場へ出ると、パチンコに飽きたと思しき客が聞いてきた。

「視力いいんですね、マサイ族ですか」

客は白人だった。外人はよくいるという、パチンコという珍妙な観光スポットを体験してみたいという観光客なんかが。

「私はこう見えて、バード・ウォッチングとかしてるんですよ」

「ハア、珍しいですね、皇族とあったことありますか」

「無いです」

「あの免許証は、店で違法した人の晒しですよ」

「確変とかですか、アレどうやって変えるんですか?磁気とか使うんですか」

「ロムってのを、機体の裏に着けるらしいです。夜中に店舗に忍び込んで」

「夜中まで警備しないといけないですね。どうせなら24時間開けておいたら、客が入り浸って儲かるんじゃないですか」

「そこまでやったら摘発されるんじゃないですか。ただでさえギャンブル中毒者を発生させてるのに」

パチンコはあの頃が最盛期だった。従業員数、3人から50000人レベルへ。

岸ンジャーは思った、免許証なんて取り上げるの、違法じゃないのか。この爺さんは、たしか、この大手チェーンの社長だ。何かの名鑑で見た。

北朝鮮関連の大物だという、本当かどうか不明だった。ソッチは、あんまり、俺の守備範囲じゃないし。

岸ンジャーは元々、日本なんて、ほとんど、来ない。

ひっきりなしに四方からしてくる、チーンジャラジャラという変な音、爆音で流れる演歌。

何が悲しくてこんなところへ寄ったのか、北朝鮮の核とコイツがつながってるって本当かよ。

 

 

「エッお前、マルマルハンハンなんかとつきあってたの?」

「悪いか、お前の同胞って噂があるだろ」

「同胞もクソもあるかよ。アイツラ、すぐに同胞、同胞だよ。俺たちは総連とかサッサと手を切っただろ」

ネットゲリラ2は、連中とつるむのを好まなかった、それはネットゲリラ3だって同じはずだ。

ネットゲリラの中で、変な要人名刺コレクションをしているのは、ネットゲリラ1くらいだった。だからネットゲイラ1は、少しだけ鼻つまみものだ。

「総連とかじゃないよ。マルマルハンハンは、俺がロリコン店にいたときに、客が暴れて店を潰されそうになった時に、その酔客をつまみ出してくれたんだよ」

風俗店のスタッフ、パチンコ、総会屋もどき、産廃の下請け、下らない仕事ばかりやってきて、早く安住の地が欲しかった。

そして人手不足のリゾート地の応募が目に入った。

「俺たち、東南アジア方面とか詳しいですよ、案内しましょうか。海外から観光客を呼び込むっていうのは、どういうことか」

パッポン・ストリートに繰り出した地元のオッサンたちは、お約束でタケノコはぎにあって帰ってきた。

そういう目にあわない方法を、全部レクチャーしてやって、通訳もした。

「ストーカーかよ、しかもロリコンだろ」

マルマルハンハンはロリコンかよ、いいネタを聞いた、

今度、俺の陶芸展に汚いツラを店に来たら、小突き回してやろう。だけど昔のロリコンなんか時効じゃないか。

警察にチクろうか。俺の陶芸を汚す輩は許さん、アイツにダミ声で金の話なんかされたら、地元の上流客がドン引きだ。

俺が何年かけて地元に溶け込んだと思ってるんだよ、クソが。

「たまに面倒臭いの頼むと、何とかしてくれるいい人だよ」

「いい人なんかじゃないよ」

「ヨゴレ商売とはいえ、マルマルハンハンは、生活に困ってるはずがない。富豪が、こんな辺鄙なところに興味ないだろ。何しに来たんだよ」

「それはお前のロリコン店に来たのと同じくらいの、ヤボ用なんだろ。あんだけ金を持ってたら、暇でしょうがねえよ」

 

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