隠居生活

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ハマのドン

ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録 (集英社新書)
松原文枝
2023-05-24
 
横浜といえば港町で、港湾も昔から発展してきました。今は専門技能を使いますが、昔は体を張った危険な仕事でした。横浜の藤木という自民党の政治家は、保守系で、港湾利権のドンでした。
安倍政権がカジノの誘致に積極的で、菅官房長官のお膝元の横浜も、誘致の話が盛り上がっていました。
カジノは今までの日本では刑法で禁止されていて、カジノがあると賭博にハマってしまう人がいます。港湾労働者にもそういう人が多く、彼はそういうことが心配で反対に回りました。
カジノで税収が上がると、給食の無料化など、財政に余裕ができて、できることが増えると、横浜の市長なども賛成していました。
藤木は港湾の利権を結集し、カジノの代わりに、ディズニーのクルーズを誘致する計画をあげたりします。
財務省マネーロンダリングの温床にならないように、カジノの税制を厳しく決めていました。客が入らないと反対され、外国人は除外するように制度を変えたりしていました。
横浜市民の多くは、カジノに反対です。前市長の林氏は推進派でした。
市長選がありました。カジノに反対すると、官邸と対立することになり、立候補者選びが難航しました。藤木は保守派で、市民との連帯などには消極的だったのですが、市長選挙では連帯しました。
自民党錚々たる応援を受けた候補が敗退し、国政にも影響して、菅氏の退陣につながったと言われています。
横浜市はカジノで期待できる収益の算出が、楽観的すぎたといいます。
一般には観光収入などが大幅に見込まれるといいますが、諸外国でも頭打ちになって寂れているところもあります。