高木健次
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
2025-01-24
日本の建築技術は、世界的に注目もされています。YOUTUBEで情報発信する人も増えています。
建築業界は好調で、若手の就労者も減っているわけではありません。老朽化したインフラの修繕もあれば、震災復興もあります。が、慢性的に人手不足です。
建築業界は労働時間が多く、辞める人もいます。
2024年に時間外労働を規制する法律が施行されるので、人手を集めている会社もあります。サービス業やオフィスでは派遣が流行っていますが、建築業界では、有料で人を派遣することが禁止されています。近年M&Aが増え、会社ごと人手を買おうという動きも活発です。これまでは小さな会社が乱立する傾向がありましたが、大きな会社への集約が進んでいます。
「労働時間は毎年短くなっていますが、週休2日も定着しているとはいえません。民間工事と公共工事で比較すると、公共工事のほうが休みの面では改善傾向にあります。他方で公的機関に寄せられる労働相談件数を産業別に見るとサービス業、福祉関係が多く、建設業は多くはありません。「手に職」の業界なので「会社で嫌なことがあったらすぐ他社に行けるから」と考えられます」(201ページ)
最近は現場をドローンで撮影し、データ化していることがあります。今まで職人技に頼っていたものが、データが共有できるようになっています。
かつては公共工事に多くの企業が入札し、談合になることもありました。最近は入札を請け負っても採算が立たないので、どこも入札しないということもあります。テクノロジーを積極的に導入して、安く作れるようにすることも求められます。
災害復興が遅れる原因の1つに、技術系職員が不足していることも挙げられます。
国の管轄する現場では新工法も取り入れられますが、市町村にはそういう技術の是非を判断できる人材が不足していることもあります。
かつて公務員叩きが横行し、採用が控えられたことがあり、役所に氷河期世代の人材は少なめです。
鋳型で作っていたものを3Dプリンターで作ることもあります。災害復旧でもドローンで現場を調査し、3Dデータを生成して現場に送れば復旧に貢献します。
公共工事や非住宅のほうが、資材や人件費が上がれば、価格に反映できるように交渉できます。
住宅の施工主には値上げの提案が難しいので、やりにくいと感じる工務店も増えています。住宅施行を請け負う大工の確保も難しくなっています。
工業高校卒業生は就活市場で引く手あまたです。3倍の求人が殺到し、文系の大学卒業生のほうが就職先がない傾向があります。建設会社でも、高倍率の工業高校で人を募集するのは諦め、普通科で集めている会社もあります。
職人は日給制のことが多いです。雨の日には現場が休みになり、給料が減ります。
「この日給制は若手に大変評判が悪く、国交省の調査では建築会社の若手の離職理由のトップがこの日給制です。ちなみに2位が移動の多さ、3位が休みの取りにくさで給料への不満が実は4位です。繁忙期にたくさん出勤すると稼げるので、日給制のほうが良い、という年配の職人も多く、「日給制問題」は世代間ギャップが大きいです」(195ページ)
日本史では、奈良時代から、首都の人口が増え、下水処理が追いつかなくなり、首都を移転することがよくありました。
江戸は元々、沼地でした。人が住める地盤にし、河川の氾濫を鎮めるために、徳川家康が大きな公共工事を行ない、のちの東京の基盤になりました。






