隠居生活

最新の投稿は、読書中です。目次、2004年:メディア、2005年:生活雑貨、2006年:宗教、2007年:街と散歩、、2008年:音楽、2009年:、2010年:健康と自己管理、2012年:世界情勢、2013年:社会、2014年:経済と企業、2015年:ファッション、2016年:政治、2017年ー2021年:ブログ、2022年以降:本の感想。

なぜ難民を受け入れるのか

なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点 (岩波新書)
橋本 直子
2024-06-25
難民条約で定められた難民は、本国で差別を受けて迫害された人々です。
貧困や災害で発生した難民などは含まれません。
国際社会には、ナチスドイツのホロコーストを止められなかった過去などがあります。
西側諸国がウクライナ難民やロシアのジャーナリストの亡命を認めるなど、政治的な活動の一環であることもあります。
日本では、自国の難民の境遇がよいと思うか悪いと思うかという問いに、わからないという人が多いようです。
 
EUなどはユーゴスラビア難民からアラブ、アフリカの難民まで受け入れる機会が多く、条約などが整備されてきました。アジアは未整備です。チベットミャンマーなどの難民が発生してきました。南米は、外交庇護で受け入れることが多い地域です。
途上国には、難民を受け入れている国も多いです。
 
難民は、難民ではないと証明できない限り、追い返してはいけないという決まりになっている為、避難中の難民を自国に向かわせないための活動なども盛んです。
突然、難民に押し寄せられるのは各国にとって負担です。
既に難民認定されている避難中の難民を、計画的に受け入れる国も多いです。
家族を呼び寄せることもあるし、留学生や労働者として受け入れることもあります。
 
オーストラリアやイギリスは、アメリカなどと難民交換の条約を結びました。
オーストラリアは周辺のポリネシア諸国に、難民を転送しています。そうすることで、難民送り出し業者の思惑を外し、難民数を減らすことに成功したそうです。
 
日本は難民認定率が低いので有名です。
アフガニスタンタリバンが政権を奪還して米軍が撤退したときは、受け入れを制限して、日本のために働いた職員を袖にしていました。日本の機関で働くのはよくないという宣伝になってしまい、国籍を損ねていると言います。
ウクライナ難民の受け入れには積極的で、ほぼ無条件で受け入れています。
他の難民との待遇の差が目立ちます。
 
北欧は旧植民地もなく、難民の避難ルートからも遠いところにあり、環境が日本に似ているそうです。
ノルウェー以外は難民の受け入れを厳しくしようという方向になっています。
極右政党などもあります。
 
難民は困難な状況の中で、移民を実行するだけのエリートが多いです。