隠居生活

読書メモが多いです。

最高の集い方

最高の集い方――記憶に残る体験をデザインする
プリヤ・パーカー
プレジデント社
2019-10-11
 
 
漫然と集まると、退屈になりがちです。
なぜ、その集まりをするのか、深く考えてみて、その目的の為に、多くの要素が決まります。
目的をはっきりさせると、賛否両論も出てきますが、わざわざ集まった意義が際立ちます。
 
インドの結婚式で、新郎新婦が火の周りを回って誓いを立てる儀式では、誓いの内容が古いと、若い人たちには言われます。
 
 
 
集まる人数は、6人、12ー15人、30人、150人などが目安になります。
6人くらいなら近くで話し合え、150人を超えると、コンサートやスポーツの観戦のように、大勢がイベントに熱狂するようになります。
ディナーパーティーやカクテルパーティーなど、1人あたりの面積はパーティーによって違います。
 
場所は人々の気持ちに影響します。
ある企業同士がM&Aの会議をフランスの古城で行ったら、傲慢さが出てしまい、話が破綻したことがあります。
バーでコメディアンがジョークをやっていると、お金持ちのパーティーなどに呼ばれる事がありますが、場所が変わると同じギャグは受けなくなります。
芸術の授業で、何の変哲もない教室に、椅子を積み上げておくと、生徒が椅子を崩して席を並べなくてはならず、雰囲気が作られていきます。
 
関係ない参加者がいると、気を遣ってしまいます。
参加者が親密さを感じているサークルでは、友達や彼氏を連れてくるのは、断った方がいいこともあります。学生以外お断りのバーで、例外をつくらず、副市長の訪問を断った事があります。
 
参加者同士が満遍なく知り合いになれるように配慮するなど、ホストの役割は大事です。
話すぎるゲストを制したり、知り合いを増やすのが目的なら、席を変わったりします。
オバマは記者会見で、男性と女性の記者が交互に質問するようなシステムにしていました。
貧困問題を解決するための資金集めのパーティーでは、資金提供を受ける側がプレッシャーを感じていました。ロールプレイをして相手の立場を理解したり、組織名を隠して参加するなどの工夫がされました。
 
ルールのあるパーティーは、事前にルールが参加者に共有されます。マナーの大事なパーティーでは、知らないでマナーに反した行動をとると、次から招かれなくなったりします。参加者が白い服を着て参加するパーティーは、世界に広まっています。
 
 
集まりは準備が9割のようです。スマホは使わないで欲しいとか、子供は連れてこないで欲しいとか、集まりの性質によって、ゲストに求めることもあります。
あるわだかまりを長年抱えていた会合では、事前に問題だと思っていることなどを匿名でアンケートにとり、読み上げたことがあります。その内容をメモに書き取ってもらい、心に残ったことを発表してもらいました。
 
オープニングは会の雰囲気を決めます。スポンサーの挨拶とか、事務連絡では、期待で盛り上がった人々の心に水を差すといいます。映画やテレビ番組でも、クレジットをオープニングに使わないものがあります。
撮影時に現場で誰でもボックスの上に立って、気に掛かっていることなどを自由に話すというイベントをして、メンバーの士気を高めている監督もいます。
 
エリートの集まりでは、選挙期間中の政治家のように、自分の強い面ばかりが押し出される傾向があります。定番のスピーチよりアドリブだったり、弱みを見せたりするほうが、集まった人たちの心は打ち解けます。
 
パーティーがお開きになりかけると、眠くなる人が出てきたり、まだ帰りたくなさそうな人がいたり、タイミングが難しいこともあります。
バーでは、ラストオーダーを店内に知らせます。帰りの準備をしたり、まだ相手の電話番号を聞いていない人は聞いたりすることができます。
イベントは必ず終わります。
集まりの意義を再確認し、気持ちよく日常へ帰っていけるクロージングが必要です。
ユダヤ教のお葬式では、参列者が会場から車にかけて二列になり、その間を家族が通っていくことで、死を受け入れ、次の生活に続いていくことを実感するようになっています。