大国だったロシアやヨーロッパは衰退しています。
覇権を争っているアメリカと中国の次に大きな影響を持つようになるのは、インドのようです。
インドは戦後、工業化に成功せず、長い間停滞していました。
IT技術者が増え、これまでの制約を乗り越えることが増えました。
インドの技術者を雇う企業も増えています。
英語圏のインドでは、アメリカなどに留学することが一般的です。
世界中からサービスを受注しています。
アメリカからインドはちょうど時差で真夜中のうちに仕事ができます。
インドは最近、日本や中国が失敗した、火星の軌道への衛星の打ち上げに成功しています。
インドは広く、社会が変化するスピードも遅いです。
モディのインド人民党が政権を取る前のインドでは、国民会議派が長く与党にいました。ネルーの子孫の首相なども続いていました。
国民会議派は、反植民地、社会主義、世俗主義を押し出していました。これらは憲法にも明記されています。
グローバリズムの時代になり、保護主義を撤廃し始め、自由主義が台頭していきます。
インド人民党はヒンズー至上主義的で、牛肉の売買を禁止した州もあります。
ヒンズー教徒と違い牛を神聖視しないイスラム教徒が、牛肉や革製品を扱っていることがありますが、彼らへの襲撃なども問題になっています。
農村に基板のある国民会議派と違い、インド人民党は都市部に支持基盤があります。
モディ首相は温暖化対策のパリ協定を受け入れていますが、異常気象に見舞われる農村の災害対策などの国際援助を受ける目論見などもあります。
モディが前に知事をしていたグジャラート州では、外資や企業が進出しやすいように、電力のインフラなどを整えていきました。インドで頻発していた停電が容易に起きないようにしていきました。
インドでは州の自主性が強く、税率や規格などがバラバラです。企業などは違う州に進出するのを躊躇います。モディは汚職対策の名目で、高額紙幣を無効化したりして、中央政府の統一的な経済政策を進めます。
インドでは3割の家庭にトイレがなく、外のトイレで用を足さないといけません。糞尿が堆肥になるコンポストのトイレを開発し、トイレの汲み取りを仕事にしていた低カーストの人々に、他の仕事につくような教育を勧めています。
インドの近隣の大国は中国です。核武装も、中国に対抗したものです。
中国は国際的に認められた核保有国でした。
国際条約上の核保有は戦勝国にしか認められず、条約から外れて核武装している国もあります。インドの核武装は、敵対国のパキスタンを刺激し、南アジア地域の軍拡競争になっています。
インドは独立のときにも、イスラム教の地域が別途独立してパキスタンとバングラディシュになっていて、イスラム勢力とは一悶着あります。
国威掲揚を掲げるインド人民党の元で、1998年に核実験がなされ、核開発なども進んでいます。
国際社会はインドの核実験に経済制裁をしていたのですが、911のテロが起きて、欧米は、いくつかのイスラム勢力と戦争状態になり、インドの協力を仰ぐようになりました。
アメリカも、技術協力などの協定を結んでいます。
中国とは経済関係が深く、対立は棚上げになることが多いです。中国はインド洋への出口を国境で塞がれているので、東南アジア諸国やパキスタンの港などに進出しています。ブータンなど、二カ国の板挟みになっています。幸福の国という国際的なPRも、侵略に対抗するための国際アピールという面もあります。