隠居生活

読書メモです。真面目に書き始めたのは2026年からです。最新の投稿は書きかけです。5年以上前の過去記事は、自分用のメモにつかっています。

フジモリ式建築入門

フジモリ式建築入門 (ちくまプリマー新書 166)
藤森 照信
筑摩書房
2011-09-07
 
街並みや家は、人が生きていく上での記憶を担っています。
外の景色や家が同じなら、日々が平穏に推移しています。
昔の日本の家は、座敷を中心に作られていました。
客を迎えたり、一家の主人が座る場所でした。
戦後に廃墟の上に造られ始めた新しい住宅は、機能的なキッチンを備えていました。
昔の台所は石造で、魚を料理すれば臭くなりますが、ステンレスのキッチンは掃除が簡単でした。
 
「こうした戦前の家父長制が、敗戦後の改革のなかで、封建的なものとして否定され、住いにおいても、座敷中心は、封建的として否定された。(中略)
団欒は居間(リビング・ルーム)、食事は食堂(ダイニング・ルーム)、料理は台所(キッチン)、眠るは寝室(中略)
LDK一体化がすみやかに広く普及したのは、戦後の住宅難を解消するため政府が一九五五年に創設した日本住宅公団(現在のUR都市機構)が、LDK一体化の先駆的試みとしてDK一体型の公団住宅を大量に建設した影響が大きかった。
もともと一体化は”狭いながらも楽しいわが家”のための工夫だったが、広くて立派な家にまでおよび、今ではたいていの家がLDK一体となっている」(19ページ)
 
かつて人は洞窟の中に絵を描いたことがあります。洞窟の中で火を灯して絵を眺めるのは、特殊な経験です。旧石器時代の石は物資をしっかり切ることができないので、建築といえるものはありませんでした。
人々が農耕を始めると、収穫を保障する太陽信仰が生まれ、世界中で、太陽に向けて高く聳え立つ石や木が建てられました。
ピラミットは不揃いだと形が揃わず、正確な技術がないと作れません。ピラミットは景色の中で屹立し、自然を超越した印象があります。今でもピラミットを見ると、時間や空間を超越しているように思う人が多いようです。
新石器時代に氷河が解け、アメリカ大陸は孤立し、文明が伝わらなくなりましたが、そこでも同じようにピラミットが生まれました。
 
 
文明時代に入ると、それぞれの地域で建築が発展します。ヨーロッパの建築史は連続していてわかりやすく、建築についての論説も残されています。
 
「ギリシア神殿は、列柱の上にペディメントが載る。ただそれだけで他の造形要素はない。石は、細長い柱状には適せず、厚い壁状が一番向いているにもかかわらず、外観の所見が石の列柱になったのは、木の記憶に違いない。
柱の上のペディメントも、木造の一番簡単な屋根形式の切妻屋根の切妻の扁平な三角形から来ている」(79ページ)
 
ローマもギリシアの建築文化を受け継ぎましたが、アーチやドームを生みました。アーチやドームによって、建築内に宇宙を再現できます。
 
入門と書いてありますが、私には難しかったです。文章が頭に入らなくて、途中で断念しました。このあとヨーロッパの建築史が続き、日本の建築史も辿られています。